【フォトレポート】浅田真央サンクスツアー展を終えて

2021/10/09 // お知らせ, チームオレンジチアーズ, フィギュアスケート, メディア・動画, 川原星, 橋本誠也, 無良崇人

2021年10月4日（月）までジェイアール名古屋タカシマヤで開催されていた『浅田真央サンクスツアー展』が惜しまれつつ会期を終えた。大迫力のスクリーンに映し出された映像や大型パネルの写真とともに、10人のキャストが実際に着用した衣装や小物が約120点展示され、会場内は『浅田真央サンクスツアー』の世界観が見事に再現された構成となっていた。

当初この『浅田真央サンクスツアー展』は、2021年4月27日に横浜アリーナで行われた千秋楽公演の翌日、4月28日に日本橋髙島屋からスタートするはずだったが、直前の4月23日、政府から東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に4月25日～5月11日までの緊急事態宣言が発出され、開催の中止が決定。実は初日の開場直前に浅田真央さんご本人が『サンクスツアー展』の会場を訪れ、マスコミ向けのオープニングセレモニーが予定されていたのだが、当然ながらそれも中止となってしまった。もちろんこの時期に会場に訪れたファンの方々と直接触れ合うことは難しかったが、千秋楽公演から一夜明けたばかりの真央さんがメディアを通じてコメントを発表する貴重な機会も失われてしまった。

ただ、このタイミングで４都府県に発出された緊急事態宣言が千秋楽公演の新横浜・横浜アリーナ（神奈川県）に及ばなかったことで、ギリギリ滑り込みでサンクスツアー千秋楽公演が開催できたことは幸いだった。

裏舞台では千秋楽公演の終演から日本橋髙島屋の『サンクスツアー展』開催まで、わずか数時間しか猶予がない状況で衣装のクリーニングや移動、会場展示までの一大プロジェクトが練られていたようだが、開催が中止となったことでそれも杞憂に終わった。

また、それと同時にサンクスメンバーの最後の雄姿を目に焼き付けるために日本全国から千秋楽公演に集まった多くのファンが、『サンクスツアー展』の前売りチケットを買い求め、一夜のうちに新横浜から日本橋へ202回目の公演の余韻に浸ったまま大移動することも、すべて消し飛んでしまった。

東京オリンピック開幕の前週となった7月14日に『浅田真央サンクスツアー展』は福岡県の博多阪急からスタート（～7月26日まで）。大阪タカシマヤでは8月11～23日、そしてジェイアール名古屋タカシマヤでは9月23日～10月4日まで開催された。

9月24日の真央さんのインスタグラムでは「名古屋タカシマヤが最後のサンクスツアー展となります」と伝えられ、現状ではわずか３会場の開催で『サンクスツアー展』が終了となる見込みだ。

この展覧会の前身となる『美しき氷上の妖精浅田真央展』は、真央さんの現役引退後の2017年９月の日本橋高島屋から始まり、これまで応援してくれたみなさんに感謝の気持ちを届けたいという、サンクスツアーと同様のコンセプトで、日本橋、横浜、大阪、京都、新潟、岡山、高崎、名古屋、茨城、愛媛、博多、札幌、広島、柏、米子の全国各地の会場に真央さんご自身がサプライズで登場（茨城以降はサンクスツアー期間と同時進行）。百貨店の垣根を越えて、新潟伊勢丹、博多阪急、札幌大丸、広島そごうで開催された他、茨城では県庁25階展望ロビーが会場となり、「サンクスツアー茨城公演」と「いきいき茨城ゆめ国体」「いきいき茨城ゆめ大会」の記念イベントとして開催された。

ファンにとっては前回のそんなイメージが強かったため、『サンクスツアー展』の会場でも真央さんだけではなく無良崇人さん、橋本誠也さん、川原星さんのチームOCをはじめとするサンクスツアーのキャストたちと一緒に楽しめる機会があればと期待が膨らんだが、残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大により、そんな淡い想いも霧散してしまった。とくに真央さんの地元名古屋では開催期間中の9月25日がちょうど真央さんの31回目のお誕生日だったため、「もしコロナ禍でなければ真央さんが会場に来てくれたのではないか？」と残念がるファン声も多く聞かれた。

残念ながら会場に行かれなかった無良さんに、「間近で見た衣装はだいぶ傷んでいるのもありました。さすがに202公演の過酷さがよくわかりました」と伝えたところ、「あんな頻度で酷使される衣装なんてフツーはないですから、よく見るとけっこうボロボロだったでしょ？」と語ってくれた。

今回は緊急事態宣言で来場を見合わせたり、それぞれのいろいろな事情で遠征を断念せざるを得なかった方も多く、「楽しみにしていたのに行かれなかった」という声もきっと多いはず。今後、中止となってしまった日本橋髙島屋をはじめ、他の地域でも『浅田真央サンクスツアー展』が開催されることを願いつつ、この困難な状況の中、開催に尽力して下さった関係者のみなさまには深く感謝を申し上げたい。

（Text & Photo / Yoshiyuki Takahashi）